「リュミエール!」リュミエール兄弟/感動の映画のはじまり ♯2人生を学べる映画

こんばんは!
Self-floweringの奥山昭弘です^^

 

さて今日は本ブログ「人生を学べる映画」の実質的な第一回目。

記念的なはじまりの日なので、記念的な映画にしたいと思って、いろいろあれこれと考えた末、決まったのがこちらの映画になります。
↓↓↓

「リュミエール!」
(1895-1905 フランス)
監督:リュミエール兄弟

人類史上はじめての映画です!

何かが生まれる瞬間って、とても感動しますよね!!

それまでなにもなかったところから、
「アノマリー(突然変異)」が起きて、ポンと何かが生まれるこの奇跡。

それまでには見えないところで、いろんな蓄積や葛藤があっての「ポン!」なのですが、
ある限界を超えたときに、目に見えて「生まれる」。

赤ちゃんが生まれるときの感動!!

作品が生まれるときの感動!!

 

ぼくはその感動をとても大切にしています。

そして今日は、「映画」という生命体が生まれたときにさかのぼって、その感動的な瞬間を追体験してみようと思います。

 

ルーツを知ると、味わいも深くなる

まず一番はじめにお伝えしたいのが、映画の楽しさが倍増する方法です。

それは、

「背景を知ること」

だと、ぼくは思っています。

 

これはなんにでも言えることですよね。

物事には必ず「表」と「裏」がありますが、
基本的に人間は目に見える「表」しかみることができない。

「裏」は見えないので、ある意味努力して、
ひょいと裏をのぞいてみる必要がありますよね。

そうすることで、「ああ、なるほど!こういうことか!こうなってたのか!」
という気づきがおとずれて、理解の奥行きが広がり、人間レベルアップしていきます^^

 

ぼくはこういう風に物事を見る「ものの見方」が大好きなのですが、
映画でいうと、この背景を知る楽しみを教えてくれたのは、映画評論家の町山智浩さんです。

この人の映像や音源、見たことない方はyoutubeで検索すると大量に出てくるので、
是非大好きな映画と一緒に検索して、見てみてください。

なんというか、ものすごい量の情報、ウンチクを知っているんですね。

プロとは言え、ここまでの量の「裏の知識」を知ってるとは、驚きの範囲を超えています!

そして一回目に見てイマイチだった映画も、町山さんの解説を聞くと、「なるほど!そうだったのか!」がきて、これが不思議と面白くなっちゃうんですよね。

「人間にはないものを産み出す能力がある」

あともうひとつ、おさえておきたいポイントがこちらです。

人間って本当に不思議だと思います。

不恰好で、型にとらわれ、物事に執着するし、奪い合うしで、本当に不器用な生き物だとぼくは思うのですが(^_^;)、この「ないものを産み出す能力」に関してはズバ抜けています!!

もともと「存在しない」わけですから、イメージすらできないのですが、
なにかを欲する欲求や、問題を解決したい意志からはじまって、不屈の努力によってイメージするのを可能にし、本当に産みだしてしまうんですから!!

まさしく神様が与えてくれたギフトですよね。

 

飛行機にしても、車にしても、インターネットにしても、はじめ「鳥みたいに飛べたら素敵だろうな」などとぼんやり思ったところからはじまったのだと思いますが、本当に「飛び道具」を産みだしてしまいましたからね。

人類史上もっとも恐ろしい兵器もまた産み出してしまいましたが。

 

特に科学が発展し、物事の裏にあった仕組みがわかるようになってから、飛躍的な進歩を遂げてきたのが人類です。

しかし今のように「あるのが当たり前」のレベルまで達すると、ありがたみを感じなくなるのが人間の常ですから、「あたり前」を「有難い」に変換するクセをいつも付けようと、ぼくも日々努力しております(笑)

ともかくぼくらの大好きな映画もまた、
このように見えないところでいろんな意志や要素やアイディアがぶつかりあって、
ある時ある場所で「ポン」とアノマリーが出たのだと思います。

 

「写真」がまず生まれて、はじめて自分の姿を生では一生みることができない目を持った人間が、外から自分を見ることを可能にした。

そしてそれでは飽き足らず、「動く写真」をも作って、もっとリアルに見てみたい!という欲望が発動し、さらなる追及がはじまった。

それが19世紀末、科学にさまざまな可能性を感じていた時代に、
当時できたてのフィルムやらを駆使して、とうとうできあがったのが「映画」になります。

映画は光によって産みだされた

19世紀終わりですから、産業革命に成功したイギリスがまだ世界のトップを走っていた時期です。

日本では波乱の幕末、西洋を飲みこんだ明治維新から30年近く経ち、急速に西洋化=個人の形成が進んだ時代で、アメリカでは最後の西部劇がリアルタイムで繰り広げられていた頃ですね。

その頃、我先にと映画創生者たちが覇権をめぐり、レースを繰り広げていました。

 

そこで起こる人間模様がまた面白い!!

一本の映画にしてしまいたくなるようなお話がいっぱい転がっています!!

 

ぼくの興味を特に引くのが、「世界初の映画を撮影した」と言われながら、
謎の失踪でこの世から忽然といなくなってしまったオーギュスト・ル・プランス

彼は1890年、装置の発表のためにパリ行きの電車に乗ったのだが、到着した電車には彼の姿はなく、死体も何もみつからず、文字通りこの世界から姿を消してしまった・・。

ポール・オースターの小説にでも出てきそうなお話です。

そこで疑いをかけられるのが、かの有名な強欲発明王のエジソン

彼はぼくの中では、本当に嫌な奴でありながら面白いキャラクターで、映画創生期のドラマでは「悪役」として、少なからず映画の発展に貢献します。

結局証拠は浮かび上がらず、事件はオクラ入りになり、ル・プランスが作った映像装置も、当時のイギリスの法律で7年間封印されることになります。

その7年の間に最後の壮烈なレースが繰り広げられます。

まずは強欲エジソンですが、ル・プランスが消えた翌年の1891年にキネトスコープという装置を作り上げました。

怪しいと疑われる由縁です(笑)

そして1894年から始めたキネトスコープの興行は大盛況。

はじめて動く映像を見た人々は、あたらしいおもちゃを手に入れたかのように「これは面白い!」と興奮したに違いありません!

しかしこのキネトスコープは箱の中を覗いて見るという一人用の装置だったため、
現在では「映画」としてみなされていません。

 

そして連鎖するように、キネトスコープを見て新しい可能性を感じ取ったのが、
リヨンで写真館を経営するフランス人アントワーヌ・リュミエール。

彼が息子のオーギュストとルイに依頼して作られたのが「シネマトグラフ」になります。

レースの最終争いの中で、ぬっと最後に現れて、
一番先にゴールのテープを切ったのがこのリュミエール兄弟

ぼくがこの映画を観て思ったのが、リュミエールはとても「純粋」な人と感じたんですね。

計算ずくで不純な思いがあったのではなく、単純に面白いことを面白いからやったというタイプの兄弟。

後世名前が残るほどの業績をあげられたのも、この純粋さが報いを受けたのではないか、と勝手に思いました(笑)

1895年12月28日

この記念すべき日に、パリのグランカフェの地下で、はじめて有料でスクリーンに投射する形で上映したのが、映画のはじまりとされています。

その奇蹟的な瞬間を目撃したのはたったの35人でした。

その中にはこの後、リュミエールのバトンを受けて、さまざまなトリックを使って映画を発展させていった
ジョルジュ・メリエスなんかもいました。

 

ちなみに「リュミエール」とは、フランス語で「光」を意味するそうです。

まさに暗闇に光をあてた、映画の産みの親にぴったりの名前ですね!

「リュミエール!」感動の映画のはじまり

去年2017年の11月、ぼくは恵比須ガーデンプレイスの中にある東京都写真美術館で、
「リュミエール!」の上映を観てきました!

この作品は、リュミエール兄弟が1895年から1905年の10年間に作った108本の映画をまとめた作品です。

あたかも123年前のその瞬間を追体験するかのようなイメージで鑑賞してきました^^

 

ぼくが観てきたのは、立川志らくさんという落語の方が、日本語ナレーションをしてくれているバージョンでした。

昔映画に音がなかった時代に、映像の内容を解説してくれた日本特有の文化である「活動弁士」を思わせてとても良かったですね。

 

リュミエールや、その他初期のサイレント映画の映像は、今ではyoutubeにたくさんアップされていて楽しめます。

有名で、ぼくもyoutubeで何度も観た史上はじめての映画「工場の出口」から一発目がはじまります。

この作品は、リュミエール家が経営するリヨンの工場から、一斉に帰宅する人々の様子を
固定カメラでただ撮っただけの映像ですが、なんとエネルギーに溢れていることか!

次の映像は、観客がスクリーンに映った鉄道を観て、驚いて逃げ出したという逸話が残っている「列車の到着」。

そしてはじめてのコメディー「水をかけられた散水夫」と、おなじみの作品から、見たことのない外国の情景まで、矢継ぎ早に上映されます。

その頃は、普通の庶民が海外旅行なんかとってもできなかった時代ですので、

海の向こうでは、こんな人たちがこんな生活をしてるんだ!

と驚き喜んだことだと思います。

「明治の日本」とまとめられた日本の映像も出てきました。

ヨーロッパの人たちは、形式の違う日本の文化に、神秘さやら軽蔑やらいろいろ感じたことでしょうね。

それにしてもフィルムが美しい!

youtubeの映像はかなり荒いので、スクリーンで復元されたものを見ると
こんなにも鮮明になるのかと感動しました。

 

その時代はフィルムの限界で、1本50秒の作品しか撮ることができませんでした。

その制限の中で、作品の中に無限大の可能性を詰め込もうとしている情熱がかいま見られます。

基本的にカメラで撮っているのは弟のルイで、
よく出演しているのが、兄のオーギュストだったり、父親のアントワーヌだったり、
その他リュミエール家の人々や、友人たち。

そして彼らの街リヨンだったり、パリだったり。

作品が積み重なっていくごとに、バージョンアップしていきます。

カメラはもちろん固定ですが、工夫を重ね、
列車に乗って撮影することにより、動きを取り入れたりして、パノラマに進化していきます。

構図の素晴らしさについて、かなり志らくさんが強調して言っていましたが、リュミエール兄弟は元々写真をやっていたのもあって、オブジェや光の捉え方、コントラストの使い方のセンスがものすごくいいです。

めちゃくちゃ勉強になり、自分も覚えていきたいなと思いましたね。

絵的なセンスはちょっと鈍い自覚があるので(汗

 

今回ぼくがはじめて観た映像の中で特によかったのは、いつの時代もかわいい子供たちです!

ダンスしたりあれこれするかわいい映像や、裸で笑ってかけっこするアジアの子供たちなんかがとてもユーモラスで印象的でした。

あとは大人たちがひたすら本気で雪合戦する姿も面白かった!

それにしても純粋でしたね!!

演技はまったくなし。人生そのまんま。

本当に人生って単純でシンプルなんだなと思いました!

そこに人間が意味価値を詰め込みすぎて、執着して苦しんだりするわけですが、
単純にあるのは「今ここ」、この瞬間の繰り返し。

 

朝が来て夜になる。

生きて死んでいく。

始まって終わっていく。

 

そんなひとつの動きの中に隠されているのが「真実」であり、
それを映し出すのがまさにリュミエール、
「光」なのではないでしょうか。

映画史がはじまる!

映画はここから発達してゆき、多種多様な人間ドラマが産み出していきます。

その出発点にあったのは、動く写真、映像というものを観たことがなかった人々がはじめて目にした本当に小さなこの鼓動、この感動だったんですね!

リュミエールは「ドキュメンタリーの父」と呼ばれていて、基本的に物語は作らず、あくまで「驚きの映像」を提供していました。

実際リュミエール兄弟は、映画の作品としての価値はそれほど感じていなかったそうで、あくまで「シネマトグラフ」という装置を売るサンプルぐらいにしか考えていなかったそうです。

作品の価値に目をつけたのが、さきほども出てきた奇術師ジョルジュ・メリエスです。

彼はさっそくシネマトグラフを売ってほしいとリュミエールに交渉したのですが、譲ってもらえず、イギリスに渡り別の映像装置を手に入れ、自分でスタジオを作ってトリック映画の研究をし、次々に新しい作品を発表していきます。

その中でも特に有名なのが、お月様の目に飛行機が突っ込んだ絵で有名な1902年の「月世界旅行」です。

ぼく的にはそこまで面白い作品には思えないのですが(笑、月まで到達していなかった人間が、月まで到達してやるぞという意志を感じたり、地球人が月に行って、月の地底人たちを、まるで白人が先住民を征服した時のように征服しようとしている図が、なんだか勇敢でもあり、痛ましくもある気持ちになりました。

メリエスだけでなく、初めての女性監督アリス・ギイや、イギリスの海辺の街に住むブライトン派の人々により、映画に物語性が取り込まれ、「クロースアップ」や「カットバック」などの映画ならではの表現技術も発展します。

アメリカではさすがに商業国だけあって、初めての映画館も作られ、「ニッケルオデオン」という5セントという安い金額で見られる劇場が流行りました。

その頃アメリカにたくさんいた英語のしゃべれない移民たちに大ウケし、音がなくても楽しめる娯楽として発展していきます。

ヨーロッパでは芸術の一つとしてとらえられるようになったり、日本ではさきほども出てきた「活動弁士」という独特の文化できあがったり、土地によってもそれぞれ違った形で発展していきます。

 

ここらへんのウンチクは面白いので、いっぱい語りたいところですが、長くなったので、今日はここまでということで。

ということで、「人生を学べる映画」第一回目は、映画の背景・ルーツを学ぶために史上初の映画を紹介してみました^^

興味ある方は是非チェックしてみてくださいね!

サイレント映画は、ハマると今の映画とは違う味わいで面白いですよ♪

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